サンタオブログ

サンタオのブログです。普段あまり人に言えないけどよく考えていることを吐き出しています。

原作に忠実

散々誰かが言ったことの繰り返しになってしまうけど、思ったことを書く。

漫画原作の映画化について。

今日「ヒミズ」を見た。が、あんまり面白いと思えなかった。賞をとった作品らしく世間の評価はきっと高いんだろう。

僕は原作のヒミズが好きで、きっとその影響が大きいとは思う。今まで原作を読んだものの中で、映画版もいいなあと思えたことがほとんどない。最近ようやく「原作に忠実な映像作品を作って何が面白いのか?原作と違って当たり前」という考えに至った。もし自分が映画監督で、この漫画を映画にしてくださいと言われたらきっと全然違う話にすると思う。原作ありきの映画って、登場人物の性格のみ残してほとんど関係ない話にするほうがいいんじゃないかな。中途半端な再現度はつまらなさを招くと思う。

僕はクリストファー・ノーランダークナイトが大好きなのだが、あれは原作を読んだことない。原作を読んでいたら、楽しめなかったのだろうか。

と、こんなところまでは考えることができたのだが、それでもやっぱりヒミズを楽しむことができなかった。

なんでか?

作品ってミソとなるところがたくさんあって、ヒミズでいうと、住田の性格って結構重要な要素だと思うんだ。「もぐらになりたい。ヒミズになりたい」なんて言わないと思うんだよな。。。。あ!既に原作を元に作品を見てしまっている!これがいかんのだ!全く別物として考えなくては!

原作を無視して考えてみる。。。うーん。やっぱり面白くない。演技はいいと思う。みんな上手だと思う。でも、結局何が言いたかったの?っていうところが引き込まれないところなんだろうな。原作での作者の込めた感情の部分は、ほとんど加味しない代わりに、映画では監督の感情を込めてほしいんだけど、それがなんだったのかがわからなかった。

なんてことはきっと映画を作っている誰もが思うところなのではないか。気づいていて、それでもそうしなくてはならない何かがあるのではないだろうか。それはお金を元に動かざるを得ない社会的な何かが芸術の邪魔になっているのではないか。映画って悲しい宿命を背負っているよな。高いお金を出して作って、その分を売上なければならないというのが辛い。文明が進歩して、金とか黙らせるくらい安く映画が撮れるようになって、純粋な芸術活動を取り戻したい。